長期停滞論

いやぁな予感がしてならない。6月に「デフレ均衡」という言葉に反応し、その前にも「2%どころではない」という懸念を感じた。いずれにしても何か「大きな転機」が近づいている感じがしてならない。

先ごろ日経の太田康夫編集委員の記事で「物価はなぜ上がらないのか」が面白かった。要するに伝統的なフィリップス曲線(失業率が下がれば物価は上がる)という金融政策の効き目がない状態として「フィリップス曲線のフラット化」について言及されていた。

世界はこの低インフレを懸念していて、中には「ロボット革命が賃金を押し下げる」という、SFのような事態がすでに生じていて、回復には50年かかるという説もあるようだ。

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その意味で元米財務長官のローレンス・サマーズは「長期停滞論」を説いている。実はすでに世界はリセッション状態にあり、低インフレどころか世界的なデフレ状態陥っている。ここでアメリカが金利を下げたことで、ますます資金が行き場を失い、内部留保でざぶざぶの状態になるのではないかと思われる。


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サマーズ氏の「長期停滞論」の中にケインズの「資本主義が発展することにつれて欲望が飽和し、良質の投資機会が枯渇して収益率が低下し、長期停滞に陥る。という有効需要理論に行きついた説と、シュンペーターの「資本主義はその成功ゆえに生き延びることができない。」とする説を並べ、もう世界は資本主義社会を必要としなくなっているような傾向を読み取ることもできる。
そもそも「資本論」は、資本主義後の世界を描いている。ケインズもシュンペーターも社会主義を否定していない。


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