孤篷のひと 葉室麟著 震災から25年

1月17日、25年前、阪神淡路大震災の日。当時友人が大阪転勤中で、心配して電話しても電話がつながらない。心配したものだ。

お亡くなりになった葉室麟さんの時代小説を読むのは何度目か?
蒼天見ゆしか思い出せないが、なんとおととしの3月頃。
ううむ、読書量が減っている。少しペースを上げるかな。いや、勉強が先だな。

無題.jpg

さて本作「こおうのひと」は、小堀遠州(政一)という大名でありながら茶人や作庭家として存在した人物を描く。
いくつかの感動的なエピソードを重ねて、遠州の人となりを浮き立たせる。素晴らしい作品である。
要点としては、時代に翻弄されがちな大名の立場でありながら、悪く言えば体制に寄り添ってうまく切り抜けた人物を善意に捉えようとする。

とかく読む側は、時代とともに盛衰を繰り返す波乱万丈の物語を好みがちであるが、この人物はこよなく「天下泰平」を望み、秀吉から家康に時代が変わっても重宝された様をよどみなく描く。

世渡り上手


泰平を望む

という理解を、主に茶人としての存在感を引き立てて描いているところがいい。こころから感動した。
(またまだ義母に感謝だ。縁がないとこのような本はなかなか読めない。)




PVアクセスランキング にほんブログ村





この記事へのコメント