仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン著
ビジネス本だった。2001年、きこ書房。
空港が雪で封鎖されたとき、ロビーで子供たちとじゃれ合っている老人が近づいてくる。
忙しい35歳のビジネスマンはこの老人をうっとうしいと思うが、次第にその話に吸い寄せられてゆく。
とまぁ、どこかで聞いたことがあるようなないような。『鏡の法則』もそうだが、ドラマ仕立てで感動させるビジネス本。
リードとして深く興味をそそられたのは”スタグフレーション”について言及してる点である。景気後退時のインフレ。
スタグフレーションが囁かれたのはレーガン政権下で新自由主義経済がもてはやされた時期。思えばあそこで世界は大転換したのだ。
現代のアメリカもワーキングホームレスが激増している。ネクタイをして働く路上生活者。これはあの時代から始まった。
「人々はしたくもない仕事をして、同時にそれを失いことを恐れている。」
あとのサクセスストーリーは事例紹介である。
コカ・コーラは薬屋の店員がいたずらで混ぜた薬が美味しかったからできた。
リーバイスは捨てられて汚れた帆布を見て、ズボンが不足している市場にオーバーオールを売り込んで大ヒットした。
ホーソーン効果というリサーチは、実験者が自らモチベーションを上げることに気づいたのだそうで、工場労働者の照明を明るくしたら生産性があがった。そかし照明を落としてもなお生産性が落ちなかった、という謎からこの効果の意味が転用されたらしい。
「有能なのに月並みな仕事をして定年を迎える」会社員が多い中で、目の前にある古いアイデアを新しいアイデアに変換できない人生がいかに多いことか。とほほである。
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