姥捨て山繁盛記 太田俊明著
あれだねぇ、中国では猫が感染していたりするかと思えば、製造業は上向きだという報道もありますね。不安要素を払しょくするニュースが感染しないかなぁ・・・
日経小説大賞受賞作。同じ日経小説大賞でも「狂歌」とはまた違った趣。
太田俊明さんの巧みな展開と、感動を呼ぶ大作である。深沢七郎の『楢山節考』を現代的に明るくアレンジしたイメージかな?
認知症を宣告された定年間際の会社員が山梨の施設に入るが、そこから見下ろす盆地に秘められた歴史とダム建設反対者の闘争に巻き込まれてゆく。
高齢者が自立して自給自足できる仕組みを作れば、補助金が注ぎ込まれる高齢者施設や無駄なダム建設で税金を使わなくて済み、未来の若者にツケを負わせない社会が作れるという。
世界が大きく社会主義に揺れ動こうとするこの時代を先取りするようなドラマ。感動とともに自らの生き方をも考えさせられた。
傑作だった!
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