大往生 永六輔著 岩波新書
1994年に大ヒットした永六輔さんの本。エッセイのようだったり、突然インタビューが掲載されていたり、まぁ本としては支離滅裂で印象が薄い。淡谷のり子さんとのインタビューだけが鮮明に印象に残る。淡谷さんは「演歌が大嫌い」という点がいい。ここだけ切り取るだけで面白い。
永六輔は淀川長治先生の弟子で「映画友の会」の初期会員でもある。淀川先生と誕生日が一緒なので食事に誘ったら「誕生日は自分を生んでくれた母親に感謝する日だから、君と食事はできない。」と断られたエピソードが印象的だ。
永六輔さんはお寺の住職さんの息子で、テレビ放送初期に活躍した方だ。独特の舌足らずなしゃべりはラジオなどで長く聞かせていただいた。
その存在自体が明晰で、晩年の生きざまも永六輔さんらしかった。もちろんこの本はまだまだ永六輔さんがお若い頃の著書ではあるが、”死ぬ”という行為を別の視点からとらえているユニークな本である。いかにもお寺の息子、という感じだ。
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