団塊の後 三度目の日本 堺屋太一著 毎日文庫
堺屋太一さんの本を読む。『団塊の秋 堺屋太一』に呼応する晩年の作品である。
経済産業省の課長が主人公で、時代は近未来。2026年。徳永好伸という総理大臣が”身の丈の国”という政治方針を掲げ政策を実行してゆく。
明治維新後(強い国)、戦後(豊かな国)を踏まえ、第三の日本を創り出すために大胆な政策を実行する徳永首相の方針に官僚が翻弄されるという物語である。
長いデフレを”敵のいない敗戦”と位置づけ、
1、不況の継続
2、意欲低下
3、財政赤字
4、人口減少
という4つの状態を打破するために、次々と大胆な政策を示す。要するに日本は安全で安心で清潔な国に偏りすぎた。これを突破するために、州制度を導入して都道府県を集約し、国の資産を地方に売却して国の負担を減らす。国際の半分を地方に買い取ってもらうとい政策だ。
果たしてこれが実現されるものとは思えないが、日本経済史を学ぶ意味でとても参考になる本だった。
堺屋太一さんのような世の中を一気に明るくするような発想を持つ方がいなくなるのは寂しい。官僚出身だからこそわかる現実も織り込まれていて、とても面白かった。
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